猫な私の甘い恋
いいじゃん別に。彪の物ってわけじゃないんだし。

私は佳奈さんの隣に座る颯さんに頼み、佳奈さんの隣の席に座らしてもらった。隣隣(トナリトナリ)が男子じゃちょっとね…。

「男子だけかなって思ってたんだけど佳奈さんがいて良かったよ。」

「えーじゃあ近くに行われる文化祭について話して──」

私が佳奈さんに話しかけていると彪の説明会が始まった。私も聞いとかないとヤバいかも…?

彪の方へ向き直り真剣に話を聞こうとしたが、

「私、彪のことなんでも知ってるから。」

と、佳奈さんに囁かれた。

「え?」

その言葉が無視できず私は返答してしまった。更に話を進める佳奈さん。

「安心して。彪は貴方を選ばないから。」

後ろから静かに囁く。私はその言葉の意味が分からなくて…。
< 91 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop