止まない雨はない
-3年前に遡る
私は保育士になり、初任給で両親に旅行を
プレゼントした。
しかし帰ってくる日、大型台風が来て
ものすごい大雨だった。
弟の友樹(ともき)は震えて
私にくっついていた。
そんな時、家に1通の電話が掛かってきた。
それは…………
警察からだった。
両親の乗っていたタクシーが事故を起こしたのだった。
この大雨でスリップしたみたいだった。
ほぼ即死だった。
私はまだ社会人になりたての20歳で、
弟は来年中学生になるのに……
私のせいで両親が死んでしまった…………。
私が旅行をこの日にセッティングしなければ
…………
旅行をプレゼントしなければ……
そんな思いが頭の中を巡っていた。