大人スイーツと一緒に
「美奈、ごめんね、お待たせっ」


「大丈夫。そんなに待ってないから」


いよいよ、湊とのお泊まりデートの始まり。


実は言うと本当は30分ぐらいは待っていた。


早く湊に会いたくて、待ち合わせ時間よりも早く来ていた。


湊は年明けから始まるスイーツブッフェに向けての試作品作りがなかなか終わらず、待ち合わせから15分後に到着。


私は15分前に来ていたから、合わせて30分。


「湊、どこに行くの?」


「歩いて行けるよ」


お互いにさり気なく手を繋いで歩き出す。


歩いて行けるとの事で戸惑っていたが、着いたのは職場のホテルの近くの高級感溢れるホテル。


職場と同じリゾート系のホテルだが、こちらのホテルは幾分か値が張る。


「湊、た、高いんじゃ…」


ホテルのエントランスでコソコソと耳打ちした。


「この日の為に貯めといたから心配しないで」


湊はニコニコしながらチェックインへと向かった。


本当に良いのかな?と思いながらも、到着した部屋も上階の方のスイートルームで驚きの連続だった。



部屋に着くと夜景が綺麗で目が釘付けになった。


「夜景が綺麗だよ。湊も見てみて!」


「美奈が喜んでくれて良かった。本当はね、もっと遠くに泊まりに行きたかったんだけど…」
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