大人スイーツと一緒に
湊がどこからか、金色の小さな包みを出して来て、中味を私の口の中に入れた。


噛んでみると、口の中でチョコとブランデーとオレンジみたいな味がした。


「ブランデーちょっとキツイ…オレンジも入ってた?」


「やっぱりブランデー入れすぎちゃったかな…オレンジはオレンジピール」


私は甘い物が苦手だから、湊はあんまり甘くないスイーツは試食させてくれる。


私にはブランデーがちょっと多すぎたのか、口の中が焼けた感じがした。


「ごめんね…」


「お水飲みたい…」


お酒は嫌いじゃないけれど、普段、ブランデー系は飲まないせいか、口の中に残る感覚がちょっと苦手。


「俺もブランデー多いかなとは思ったんだけど…」


皆で試作品を試食した残りだったらしいのだが、このパウンドケーキは第一試作品だったらしい。


「休み明けに試作品第二号を作るから、また試食してくれる?」


「うん、楽しみにしてるね」


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