新選組と最強少年剣士
ハァ〜なんかすっごく疲れた‥‥‥


厨で食器を洗い終えると、叶が足元にすり寄ってきた。


「にゃ〜」


「お〜慰めてくれるのか〜叶?」


軽やかにジャンプし、僕の肩に乗る。


そのままスリスリと顔を僕の頬に擦り付けてくる。


超絶可愛い!!!


「お?剣壱君?」


「あ、近藤さん!」


にこにこと人の良さそうな笑みを浮かべた男。


厳つい顔だが、雰囲気はとても優しい。


新選組局長、近藤勇だ。


情に熱く、信念を胸に抱く熱い男、かな?


「お茶を飲みに来たんだ」


「なるほど。淹れようか?」


「では頼もうか」


えーと、近藤さんの湯呑みはっと‥‥‥


いそいそと準備をしていると、視線を感じる。


近藤さんは部屋に戻る様子はなく、それはそれは穏やかな表情で僕を見ていた。


「近藤さん?お茶なら部屋に持っていくから、
戻っていて大丈夫だよ?」


「いやなに、剣壱君は本当にもう新選組の一員だと思ってね」


「そうかな?」


まぁ食器の場所も覚えたし、ここに入り浸ってる感じはあるだろう。


お預かりやら隊士やらの立場だが、事情を知っている近藤さんたちからすれば、ただの居候と呼ばれても仕方ないけどね☆


「剣壱君」


「ん?」


「今は仕事が少し落ち着いてね。どうだ、俺と一緒に茶でも飲まんか。少し話したいんだ」


「はぁ、まぁ‥‥‥いいですけど」
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