新選組と最強少年剣士
近藤さんとゆっくり話したことなんてなかったしな。


まぁいいか。


「そうかそうか。では、茶が淹れ終わったら俺の部屋に行こう」


「うん」


む、丁度出来たな。


お茶の入った急須と湯呑みをお盆に乗せる。


「行こっか」


「ありがとう」


廊下を歩きながら、僕は近藤さんの顔を見つめる。


なんというか、新選組の局長とは思えないほど本当に穏やかな顔をする人だよなぁ。


厳つい顔が緩んでるとなんとなく可愛い?


‥‥‥‥‥そんなことはないか。


「ん?なんだね?」


「あ、その、近藤さんはいつも微笑んでるみたいだな〜って。土方さんは、いっつも眉間に皺を寄せてるんだよ」


「ははっ、そうだなぁ。俺はあれみたいに机仕事とか出来ないから、せめて笑っていようと。
そっちの方がいいだろう?」


「近藤さんは苦手なんだ」


「どうも細かい作業とか苦手でね。戦略なんかも、皆の手助けがないとどうも‥‥‥」


近藤さんは実戦派で、頭であれこれ考えるのには向いてなさそうだもんな〜


「あ、少し散らかってるが、ごめんね」


「お邪魔します」


近藤さんの部屋は、局長だけど、皆の部屋とあまり変わらなかった。


少し広いなぁと思うくらいだ。


机には紙と筆。


「どうぞ」


「あ、ありがとうございます」


近藤さんに座布団を進められ、座る。


急須からお茶を2人分注いだ。
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