新選組と最強少年剣士
あームカつく。
すっごいムカつく‥‥‥!
自然と足音が大きくなる。
ドスドスと荒い足音で廊下を歩く。
道場からある程度離れれば、僕は足を止めて大きく息を吐いた。
やり過ぎ、と言われればそうなのだろう。
指南の仕方は人それぞれで、僕は優しい方でないことは自覚している。
そこまで過激ではないけど‥‥‥
立と佐ノさんが一緒にいると、モヤモヤする。
なんだかなぁ、前までと空気が違うんだよ。
上手く言語化できないが。
「剣壱」
「あ、主計」
松永主計。
少し静かなところのある、ここの隊士だ。
「1人でいるの珍しいね。十郎は?」
主計はだいたい、楠小十郎という隊士といることが多い。
十郎は色白で小柄な美男隊士だ。
「小十郎は稽古。道場にいたと思う」
ありゃ?そうだっけ‥‥‥?
十郎くらい容姿だと目立つんだけどなぁ。
でも、立と稽古してたし気づかなかったか。
「剣壱も、稽古してきた?」
「まぁね〜立と稽古してたんだけど‥‥佐ノさんにやり過ぎだって怒られちゃった」
溜め息をつきながら言うと、頭に重みが。
目線をあげると、普段無表情な主計がなんだか微笑んでいるような気がした。
よしよしと、なぜか優しくゆっくりと頭を撫でられている僕。