新選組と最強少年剣士
厳しい声だった。


確かに、死者はいなかったものの全員軽傷とは言いがたい傷をおっていた。


そんな土方さんに対し、沖田さんはどこか覇気のない声で答えた。


「すみません。刀の打ち合う音が聞こえてそっちに行ったら、そこにはあの人‥‥‥銀狼夜叉しかいなかったんです」


「なんだと?」


「すぐに周囲を見渡しました。そしたら、僕の組の1番後ろにいた隊士が気がついたら斬られてたんです」


「どんなやつだった」


「顔を隠していたから、よく見えなかったんですけど‥‥‥二本の刀を使っていて‥‥‥」


沖田さんの声が段々と震え出した。


何か嫌な予感がして、僕の心臓が大きく鳴り出す。


「総司‥‥‥?」


「赤い‥‥‥赤い、目を、してたんです‥‥‥」


遅かった‥‥‥


僕は脱力し、廊下の壁にもたれかかってへたりこんだ。


赤い目、×印の刀傷、白凰と斬り合えるほどの剣の腕、極めつけの二刀流。


完全に僕のもう1人の部下の特徴と一致だ。


噂の人斬りは『クラウン』だ。


めんどうなことになった。


もうヤだ。


あいつ何してんの‥‥‥‥


というか何で人斬りとかしてんだよバカかよふざけんなよ‥‥!!!


「どうすっかなぁ‥‥‥」


明後日の方を見て途方にくれる。


会ったらとりあえず2、3発殴ろうかな。


「何がどうするんだ?」


遠い目をしていると、そんな言葉とともに襖が開いた。


いやまぁ声だしたからバレるの当たり前なんだけど。


どう説明すればいいだろう助けて‥‥‥
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