新選組と最強少年剣士
仲間との再開②
次の日の朝。
僕は斎藤さんの護衛もかねて、朝の巡察に動向した。
その時に人斬りのことについての噂を調査する。
曰く、人斬りではなく妖の仕業だとか
曰く、姿を見た者は全員殺されるとか
曰く、大柄で恐ろしい顔をした男だとか
曰く、神が悪人に罪を与えてるとか
曰く、幕府直属の殺し屋だとか
曰く、長州藩の切り札だとか
正直に言おう。
意味がわからん、と。
根もはもない噂ばかりで、知名度はそれほどあるが信じている人は少ないといったところだった。
神やら妖怪やらおかしいだろう‥‥‥
言ったやつの脳内心配するレベルだぞ‥‥‥
時代が時代だからか、何か不吉なことがあると妖怪の仕業だの何だのとあり得ない話はよく耳にする。
科学という名の概念は、今の日本には少ないのだろう。
そして昼に、身体の様子をチェックする。
怪我があるところは立に薬を塗ってもらい、包帯をしっかりと巻く。
それから道場で1人、ひたすら木刀を振るいながら精神統一。
そして夜。
今日の巡察当番は、新八さん率いる二番組+沖田さんと数人の一番組の人たち。
人斬りの捜索もかねているからの編成だ。
僕はというと‥‥‥
「やっぱり屋根の上落ち着く」
屋根をつたいながら、なるべく音と気配を絶って新八さんと沖田さんたちの巡察に動向したいる。
真っ黒な着物を来て、羽織はつけていない。
背中に刀、腰に小太刀、懐に針という完全装備だ。
今日は幸運にも雲が出ておらず、夜の明るさに馴れれば視界がいい。
だがしかし‥‥‥
「そう簡単には出てこないよなぁ」