新選組と最強少年剣士










狂気を宿した赤い瞳と、目が合った










「こ、の‥‥‥バカラウン!!!」


「!」


赤目の男が、目を見開いた。


ギン!!!


激しい火花を散らし、お互いに剣を弾き後ろに下がる。


「他人のそら似かと思ったんだが‥‥‥」


そう言って、男…いや、クラウンは笠を取る。


月に照らされ、その美貌が、美しい赤の瞳が露になった。


生らかな透き通る白い肌

絹のように美しい黒髪が、無造作に風に靡く

細く鋭い狂気を宿した赤の瞳


まるで浮世絵離れしたかのような整った顔立ちの男が、そこに立っていた。


「お前、命の恩人である僕を忘れたのか?」


「‥‥‥ああ、本当に、本当にそうなのか?」


「信じられない?」


「そうだとしたら、随分と懐かしい姿だ‥‥‥‥‥‥‥‥〈剣壱さん?〉」


「ああ、久しぶり。〈クラウン〉」


感動の再開を果たしたところで、僕は小太刀を戻した。

・・・・・
そして背中の刀を抜き、構え直した。


殺気を向け、クラウンを鋭く睨み付ける。


そうしないといけないんだ。


だって、こいつは‥‥‥


クラウンは僕の様子を見て、とろけるような笑みを浮かべた。


そして、


「嗚呼、剣壱さん‥‥‥会いたかった!」


クラウンはもう1つの刀を抜き、僕との間合いを一瞬で詰めた。


ギンッ!!!!


だってこいつは、僕を殺したくて仕方ないんだから。
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