お見合い大作戦⁉︎
白馬の王子様を待ってます
それは土曜日の朝のことだった。

朝といってものんびり寝過ぎてもう11時だけど。

「あんたいつまで寝てるのよ!少しは早く起きてデートに行くとか自分磨きに行くとかないの?」

キッチンの方からお母さんの声がする。

「今週はめちゃくちゃ忙しかったの!やっと休みなんだからゆっくりさせてよ!」

せっかくよく寝て爽やかな目覚めだったのに、一気に気持ちが下がる。

「そういえば」

文句を言いながらも私のためにご飯を準備しながらお母さんが続ける。

「真奈美おばさんがあんたにお見合いの話を持ってきたわよ」

「・・・・・はぁ?」

寝起きの頭ではすぐに反応出来なくて、少し間があいてからマヌケな声が出た。

「何それ?」

「お相手は29歳の会社員ですって」

真奈美おばさんはお父さんのお姉さんに当たる人で、典型的な 世話好きおばさん って感じの人。

真奈美おばさんの世話好きがまさか私に向くなんて!

大きなお世話!!!

「お母さん!何で断ってくれなかったの?お見合いなんてする気ないし!」

思わず立ち上がってテーブルをバン!と叩いた。

「だけどあんたももう26だし社会人になってからずっと彼氏もいないし」

「出会いを待ってるの!白馬の王子様が迎えに来てくれるのを待ってるの!」

興奮しすぎて思わずこっ恥ずかしいことを叫んでしまう。

でも、そうなのだ。
オフィスで、通勤電車で、合コンで・・・私は出会いを待っている。いつか白馬に乗った王子様が私を見つけてくれるのを待っているのだ。
(まぁ白馬の王子様は軽い冗談だけど。とにかく私を見つけてくれる運命の人を待っているってことなのだ)


・・・・・・・・


沈黙が痛い。
白馬の王子様に軽く突っ込んでほしかった。

「とにかくもう行くって返事したからね。それからおばさんは用事があるそうだからお相手と二人だそうよ。今度の日曜日の2時にMホテルのティーラウンジに行きなさい。必ず行くのよ!」

テーブルにコーヒーとトーストを置くと、お母さんはリビングに行ってしまった。

・・・マジか。

明らかに怒った様子でお母さんは行ってしまった。
真奈美おばさんはやたらと押しが強くて人の話を聞かないところがあるから断れなかったのかもしれない。

それでも!私が何でお見合い?
真奈美おばさんの世話にならなくても自分の運命の人は自分で見つけたい。

せっかくの休日だというのに、テンション下がりまくりでトーストを食べるのだった。
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