天空の覇者
「最早、彼らは気付いたかもしれんな」

遠くを見つめる有明の哀しみの色をたたえた瞳

「あなたは、この世の生きとし生けるもの全てを愛すが故に苦しまれている…だけど…」

有明のパートナー別府 加奈子も重苦しい口を開く。

「加奈子…解ってる。僕が僕の人生で歩むべき道を誤った事を…」

有明は目を伏せ

「僕は、おそらく地獄に落ちるだろう…こんな悪魔の研究をして罪も無い人々を恐怖に陥れているのだからな」

沈み行く夕陽を見ながら彼は静かに呟いた。
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