天空の覇者
「僕は案外幸せ者だったのかも知れないね。世の中広しと言えどこんな人生の幕引き出来る人間なんてそういまい」

そう呟き並々注いだシャンパンを飲み干す

「私はあなたに付いて行く事を決めた時からこういう死に方は覚悟していたわ…だけど人並みに幸せな時間を過ごしたかったから…」

「生まれ変わったら…平凡な人生でもいいからまた一緒になりたいね」

そう囁いて唇を重ねた。

崩れ落ちる瓦礫と所々燃やす火炎に包まれながら二人は重なり合ったまま崩れ落ちた。
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