天空の覇者
俺の操縦するフォックスの胴体機銃はセレクターの切り替えで連射と単発撃ちの使い分けが出来る。

ウスノロの怪獣相手って事だがワンショット・ヒットマンの異名を取る俺は単発射撃に拘る。

「昔の怪獣図鑑にはマッハなんぼで飛ぶ事になってたらしいけど…実際はあくびが出るぐらい遅い。コイツらに合わせてたらタイミング失うかバランス崩して失速しちまうな…」

フォックスはデルタ翼機…さらに前方にカナート翼と呼ばれる小型の翼を装着してるので安定性は抜群に良い。通常なら失速の心配も無い。

が怪獣相手となれば、かなり勝手が違う。

それでもバランスを保ったまま今まで点でしか見えなかった怪獣がはっきり目視出来るまでに接近した。

「さっさと終わらせちまうか…」

俺は殺戮ショーの前の余興がてら機体を翻し宙返りした。
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