天空の覇者
「あんなデカい的だってのに…」

敵の反撃と視界の悪さもあってか、なかなか致命傷を与えるには至らない。

反転して次の攻撃に移ろうとした時、背後の離れた場所にテレビ局のものとおぼしきヘリコプターが俺達の戦いを撮影しているのに気付いた。

「民間ヘリなんぞが野次馬しにきやがって…巻き添え喰っても知らんぞ」

邪魔なのが増えたんで口振りも苦々しいものに変わるが…

コイツらの存在は別の方面の連中には喜ばしい限りである。何故なら生中継である為戦闘の様子はリアルタイムで基地に伝わるからだ。

「クマさ〜ん頑張ってぇ〜柳瀬なんかに負けるな」

大隈ファンは、いつだって能天気なもんだ。

リアルタイムで実戦を見る機会の無い地上勤務の連中には地獄の戦場なんて想像出来まい。
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