奇形少年少女

あの日


僕は
美紀を裏切った




「東京に行く」


僕が
そう言った時の


美紀の表情


今でも
網膜に焼き付いて
離れない。



「どうして…」

美紀が戸惑いながら
聞いた。

「ずっと家を出る
決意はしていたんだ…
もっと遠い所でも一人で大丈夫だって自覚したいんだよ」

僕は少し俯いて
答えた。



「一人?どうして?私は
いらないの?私は一人なの?」



「そうじゃないんだ。
そうじゃないんだよ。分かって欲しいんだ」












「行かないで」





美紀が泣いた。











だから
僕は
美紀を抱き締めた。










その一瞬
一瞬だけ
僕らは







僕はすぐに
美紀を離して








次の日

美紀を
おいて

駅に向かった。







プロローグ
end



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