溺愛の定義
コレカラ
「美羽、就職するの?」

「え?何言ってるの。当然するよ」

「それは美羽が社会に出て働きたいってこと?」

「うーん、それもあるけど。でもさ、現実的に大学卒業したら働くでしょ。お金だっているんだし」

就職したら一人暮らししたいしねーっと話しながら、麻婆豆腐をお皿に盛る。



悠人のモノになったあの日から、私がこの部屋に来る頻度は増えた。彼女になったんだから当然だけどさ。

それまでも悠人に誘われてよく来ていたこの部屋は、なんと悠人自身の持ちものだ。

高校生の時から株や投資に興味があった悠人はその頭脳にお金儲けのスキルも内蔵していて、大学生になった時にこのマンションを買って一人暮らしを始めたのだ。

女の子は一人暮らしなんてダメ!ってパパに言われてた私はずっと説得を続けて、就職したらいいって最近やっとお許しをもらった。



< 14 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop