溺愛の定義
「‥‥教えるって何を?」

「そんな事したらどうなっちゃうか、だよ。実際に体験した方が理解度も深いだろうし」

にーっこり。万人を魅了するその笑顔は私にも凄まじい威力を発揮する。

思わず、拒否も忘れて真っ直ぐに悠人を見つめ返して固まった。

「もう観念しちゃいなよ。美羽は全部、俺のモノだから」

私を見つめたまま近づく唇に自然に瞼が閉じた。

優しく啄むキスはひどく甘い。
初めてのキスなのに、この唇以外は要らないと本能で感じる。

「拒まないなら先に進むよ?」

そっと離れた唇はまだ触れそうに近くて。まるで触れ続けてるみたいに熱を感じる。

疑問形で紡がれた言葉なのに、悠人は返事を待たない。もう1度唇を合わせて、私の中に舌を進入させる。

絡ませた舌は初めての甘さで。私は貪られるまま、与え続ける。

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