溺愛の定義
やっと離れた唇から出た唾液が銀糸のようにお互いを繋ぐ。

「博物館は今度、ね。」

オトコを感じさせるこんな妖艶な表情の悠人も初めてだ。

ソファの背もたれにくったりとしている私を抱き上げて、移動させる。

降ろされたのは初めて入った悠人の寝室。悠人のベッド。

私を見下ろす悠人が今までで1番キレイで、思わず手を伸ばした。

「美羽。好きだよ」

私の手を握って、誓いのようにそっと口付けてから、悠人は私の身体に口付ける。

唇、頬、額、耳。そのまま肌を滑る口付けはどんどん心臓に近付いて行って、私は焦る。

「あ、やぁ‥‥だ‥‥悠人、恥ずか、しい」

「恥ずかしいからイヤなの?」

クスリと笑った悠人になぜか腹が立つ。

「だって!心臓がバクバクし過ぎてて、音聞かれたら恥ずかしいんだもん!」
< 7 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop