恋花火
「ありがとぉ。」


私は思わず泣いてしまった。 


「もぉ。ゆり、何泣いてんの?友達じゃん!!嫌いになんかならないよ。」


私はうれしくて、うれしくて…号泣した。




「おい、相原!何?泣いてんの?」


「…違うよ!」


篠崎だけには泣き顔を見られたくなくて、必死で笑った。 


「相原。ちょっと。」


「ん?珠洲どうしたの?」

「いいから、ちょっと。」

「うん…。じゃぁ瑞穂行ってくるね?」


「行ってらっしゃーい!」

私は微笑んだ後、珠洲に付いていった。 


篠崎が見ていたのなんて、気づかなかった。



「どうしたの?」


「相原さ、きみひろのこと好きなん?」


「えっ?!…ちがうよ…」

嘘はつきたくなかったけどばれるのは嫌だったから嘘をついた。 


「ふーん。
ぢゃあ、今度の土曜にある花火大会行かねぇ?」


「花火…?」


一瞬篠崎の顔が浮かんだ。

「2人で?」


「おう。」


珠洲が真面目な顔をしていた。なんだか断れなくて、結局行くことになった。 


< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop