校庭に置いてきたポニーテールの頃
2002.3.14 卒業式前日
昼休みが終わる五分前、自分の席に戻ると机の上に置いてあったペンケースの下に、ルーズリーフの切れ端が挟まっていた。
『今日の放課後、校舎横の非常階段に来てください』
鉛筆で小さく書かれたそのメモは無記名だったものの、その筆跡で誰のものかはすぐにわかった。
こうして呼び出されることも初めてだけど、シチュエーション的になんとなく用件の想像もつく。
驚いたのと同時に胸はだんだんと高鳴っていき、メモを持つ指先はわずかに震えていた。
きっとこれが先週のことならば、胸の中は喜びに満ちていたのだろう。
もちろん今だって嬉しいのは変わりないけど、私はそれを素直に喜ぶことができない。
率直な気持ち、どうしていいのかわからなかった。
『今日の放課後、校舎横の非常階段に来てください』
鉛筆で小さく書かれたそのメモは無記名だったものの、その筆跡で誰のものかはすぐにわかった。
こうして呼び出されることも初めてだけど、シチュエーション的になんとなく用件の想像もつく。
驚いたのと同時に胸はだんだんと高鳴っていき、メモを持つ指先はわずかに震えていた。
きっとこれが先週のことならば、胸の中は喜びに満ちていたのだろう。
もちろん今だって嬉しいのは変わりないけど、私はそれを素直に喜ぶことができない。
率直な気持ち、どうしていいのかわからなかった。
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