校庭に置いてきたポニーテールの頃
「おい、村瀬!下村!お前ら2年生の廊下で何やってんだ!」

3年生のクラスの先生が駆けつけてきた。


先生と先輩達はなにか言い合いをしているようだったけど、その声は2年生の廊下から離れていった。

愛里ちゃんは軽く教室の扉を蹴って、そのままどこかに行ってしまった。


緊張の糸が切れてホッと一息つくと、唯と二人でマナの方を見た。

「大丈夫……?」

マナも安心したみたいで大きなため息をつきながら、両手で私と唯のパーカーの袖をつかむ。


真綾ちゃんが私達の方に近付いてくる。


「浅倉、ごめん。私、つい……えっと、大丈夫?」


マナが真綾ちゃんの方を向いて静かに頷く。

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