校庭に置いてきたポニーテールの頃
隣にいる彼もまた日糠市の職員で、名前は柳屋大樹(やなぎやだいき)。

年は私の2つ上なので、誕生日が来たら32歳になる。


私は保健センターの勤務だから市役所勤務の職員はあまり顔を知らないが、彼の同期で保健センターに勤める共通の知人が合コンを開催してそこで知り合ったのだ。


さらにいうと今こうして隣にいる大樹とは、3ヶ月付き合った後にとっくに破局していた。

周りには「別れて正解」と言われているほどだったので、大樹は彼氏としては最悪だったのかもしれない。


実際、別れた原因は大樹の浮気。


にも関わらず、別れを切り出したのは大樹の方からだった。

私はコイツに浮気されて捨てられたというのに、それでも彼を嫌いになることができなかったということ。


大樹は大樹で都合良く私を利用して、結局半年もグレーゾーンのままだった。

< 12 / 345 >

この作品をシェア

pagetop