校庭に置いてきたポニーテールの頃
国道にあるローソンを左折して住宅街に入ると、車通りも人通りもだいぶ減った。

「よっ、なんか大丈夫そうだな」

「わぁ、びっくりした」

後ろにいたヒロが私のところまで駆けてきて声を掛けてくれた。

見慣れた景色にいるはずなのに、ヒロがいることで知らない場所に来たみたい。


「ありがとう、ヒロ。もう家も近いしここからは一人で帰れるよ」

「せっかくここまで来たんだから、家まで送らせろよ。これじゃ中途半端って感じだからさ」


この辺りはローソンやスーパーもあって、近所の人に会うことも多い。

男の子とこうして二人で歩いていると噂になってしまいそうだから、あまり見られたくないんだよな……

うちの家族に知られると恥ずかしいし。

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