校庭に置いてきたポニーテールの頃
だけどもう少しこのままでいたいかも……

同じ道をずっと歩いてきたのに、やっと二人きりになれたんだもん。


誰かに見られたくなくて早く家に着いてしまいたいのと、ヒロとこのままでいたい気持ちとがなんだかごっちゃになっちゃって、自分で自分のことがよくわかんない。


なんて考え事してる場合じゃないよね。私が黙っていたらヒロは退屈するかな。

下を向いて歩いていると、半歩前にヒロの靴が見える。


あ……

もしかして歩くペース、私に合わせてくれているの?

ヒロの右足と左足の出る速度が不規則に見えて、一歩前に出すたびに私のことを待っているようだった。

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