校庭に置いてきたポニーテールの頃
たまに実家に帰ると、母親から口うるさく「結婚はまだか」とも言われていたけど、ここ最近は諦めたのか結婚を急かされることもなくなった。


ていうよりは、お姉ちゃんに子供ができたからだと思うけど。


私自身もウエディングドレスには憧れるし、子供も欲しいなとは思うけど、最近は結婚しなくてもいいかなと思うようにもなってきた。


こういう関係を続けている大樹との結婚は、いくら私でもさすがに想像がつかない。

大樹も結婚願望は薄いみたいで、私はこのまま二人で歳を重ねるのもありだと思っている。


私の胸元に顔をうずめていた大樹が、そのまま優しく唇を落とす。


ゾクッと身体中に行き渡る甘い痺れに思わず小さな声を漏らして、私はそのまま大樹に身体を委ねた。

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