校庭に置いてきたポニーテールの頃
放課後になり教室掃除をしている時に、ヒロから声をかけられた。ちょうど大嶋がゴミ出しをしているときだった。


「さっき大嶋と何話していたの?」

「え?」


やっぱり気にしてくれていたんだ。

胸の奥の方で、なにかが小さく疼き出すのを感じる。


「ううん、大した話じゃないよ」


まさかヒロのこと話していましたなんて言えなくて、私は言葉を濁した。


「……ふーん」


やばい、誤解されてる。


「えっとこれ、大嶋が書いたやつなんだけど」

焦った私は咄嗟に、さっき大嶋がくれた意味不明なメモをヒロに見せた。


「なんだよこれ、あいつバカだな」

ヒロが吹き出すのを見て、私は安心する。

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