校庭に置いてきたポニーテールの頃
「あのときもマナ達が付き合った後だったから、私はあっかに対して何もしてあげることができなくってさ。それはちょっとだけ罪悪感」


「唯が気にすることないよ。私が唯と同じ立場でも、きっとどうすることもできないもん」


唯には言っていない。

あれ以降で、私の気持ちに変化があったことを。


「あっかにも、もちろんマナにも、私は幸せになってもらいたいな。

こんなこと言ったら、上から目線かよって突っ込まれそうだけどさ。

まあ結婚でも仕事でもなんでもいいんだけど、とにかく幸せになってよ」


子どもを見つめるお母さんの表情は、確かに幸せに溢れていた。

< 161 / 345 >

この作品をシェア

pagetop