校庭に置いてきたポニーテールの頃
唯と別れ、日糠市に向かって車を走らせる。

二時間半の道のりはいつも、お気に入りの曲をかけながら鼻歌を歌って帰るけど、今日は色々と考え事をしていた。


……私も結婚がしたい。


唯に「幸せになって」と言われて改めて考えた。

私にとって本当の幸せを。


大樹と一緒にいることが幸せのはずなのに、私達は夫婦になることができない。

今まではそれでもいいって思っていたのに、お母さんの唯を見てしまったからだろうか。


私もああなりたいと思ってしまったのだ。


そして大樹といるうちは、それが叶うことがないことにも気づいてしまった。

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