校庭に置いてきたポニーテールの頃

金曜日の昼休みに私は彼にラインを送っていたが、仕事を終えた時点で既読はついていたものの、まだ返信はなかった。


『週末どこかで会えない？会って話したいことがあるの』


最近の調子だと、こうしてラインをしても断られることは多い。

たった一言『無理』だけとは言え、まだ返事がきているせいか、私はそこに全ての望みをかけていた。


大樹との関係は、お互いが自分勝手だった。

大樹は私を利用して、私は彼に執着をしている。

そしてまたこっちの都合で、今のこの関係を終わらせようとしている。


まだ迷いはある。

完全に大樹との繋がりを断(た)っても、余計に大樹を忘れることができないまま、さらに苦しくなることだってあるかもしれない。

それを想像してしまうと、やっぱりやめようかななんて思ってしまう。