校庭に置いてきたポニーテールの頃
2001.2.14 深い傷
三学期が始まってからすぐに席替えがあって、私の席はちょうど教室の真ん中あたりの席になった。


私はあれから、前みたいにヒロのことを無視することはもうやめて、普通に接することにしたんだ。

席替えをする前までは、大嶋のところに来ていたヒロと話すこともあったし、私がマナのところに行ったときに話すことだってあった。


そして彼と話しているとき以外は、彼のほうを見ないようにしている。

しかもちょうど今の私の席はヒロが見えない位置にあり、それも私にとっては都合が良かったんだよね。


あくまでも、自然な範囲で会話をすること。

ヒロへの気持ちは胸の奥にしまっておいて、絶対に表に出さないように気をつけながら。


もちろんヒロと話していると、ドキッとしたりきゅんとなったりすることもあるんだけど。

でも動揺なんて、表情でいくらでも隠せることに気がついたんだ。

ぐっと歯を食いしばり、口角に力を入れながらきゅっと口を結ぶと、周りの人に動揺したことがばれてないみたいだった。


その場しのぎだけど、やってみたら意外と簡単なことだったと思う。

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