校庭に置いてきたポニーテールの頃
「マナはバレンタイン、ヒロにあげるの?」
「わかんない。一応チョコは作ろうと思っているけど、緊張しちゃって渡せないかもしれないし」
「あっかは?誰かあげる人いるの?」
「いるわけないじゃん。唯は?」
「私もいないよ。この季節になるとムショーに恋がしたくなるよね」
マナはそうやって言っていたけど、ヒロにチョコをあげるなら、やっぱり告白とかも考えているってことだよね。
勘のいいヒロも、マナの気持ちにはもう気づいているんじゃないのかな。
こうなることを見越して身を引いたのに、まだ受け入れる覚悟ができていない。
無理やりヒロのことを忘れようとすればするほど、胸は痛むばかりだ。
認めたくはないけど心のどこかではまだ、マナとヒロがうまくいかなきゃいいのになんて思ったりもしている。
友達の幸せを願うことができない私って、嫌なやつなんだろうな。
そんな私に、さらに追い打ちをかけるような出来事があった。
昼休みが終わるチャイムが鳴り自分の席に戻ろうとした時、偶然ヒロのことが視界に入ったんだ。
ヒロは盗み見るように、一瞬だけマナの方をちらっと見てから、すぐに顔を正面に向けていた。
「わかんない。一応チョコは作ろうと思っているけど、緊張しちゃって渡せないかもしれないし」
「あっかは?誰かあげる人いるの?」
「いるわけないじゃん。唯は?」
「私もいないよ。この季節になるとムショーに恋がしたくなるよね」
マナはそうやって言っていたけど、ヒロにチョコをあげるなら、やっぱり告白とかも考えているってことだよね。
勘のいいヒロも、マナの気持ちにはもう気づいているんじゃないのかな。
こうなることを見越して身を引いたのに、まだ受け入れる覚悟ができていない。
無理やりヒロのことを忘れようとすればするほど、胸は痛むばかりだ。
認めたくはないけど心のどこかではまだ、マナとヒロがうまくいかなきゃいいのになんて思ったりもしている。
友達の幸せを願うことができない私って、嫌なやつなんだろうな。
そんな私に、さらに追い打ちをかけるような出来事があった。
昼休みが終わるチャイムが鳴り自分の席に戻ろうとした時、偶然ヒロのことが視界に入ったんだ。
ヒロは盗み見るように、一瞬だけマナの方をちらっと見てから、すぐに顔を正面に向けていた。