校庭に置いてきたポニーテールの頃
15年間も土の中に眠っていたタイムカプセルを掘り起こした瞬間は、懐かしさというよりもガラクタを見るような気分になって、マナと二人で笑いあった。

それでも個人の手紙が入ったビニール袋を受け取ると、だんだんと埋めたときの記憶が蘇ってくる。


唯とマナと三人で写った写真の他には、15年後の私に宛てた手紙が一通入っていた。


当時の私の文字で『15年後の私へ』と題してあったそれを読むと、胸のあたりにあの頃の純粋で真っ直ぐな気持ちが、ふわっとこみ上げてきた。


『15歳の頃の私のことを覚えていますか?』


『15年後のそこには、あの人はいますか?』


……思い出した。

私はこの手紙を、涙をこらえながら書いていた。


彼がいなくなるカウントダウンは、ちょうどこのときから始まっていたんだ。

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