校庭に置いてきたポニーテールの頃
「浦東、ちょっといいか?」

休み時間、いつものように私と唯とマナが集まって喋っていると、突然大嶋が唯のことを呼び出した。

「なんだろ、大嶋。ちょっと行ってくるね」


唯がいなくなってから、マナと二人で顔を見合わせる。

「珍しいね、大嶋。唯に告白してたりして」

「それウケる!学祭の時に『バスケが恋人です』なんて言ってたくせにね」


そんなに時間が経たないうちに、唯が戻ってきた。


「なんだって?大嶋」

「ううん、大した用じゃなかった。部活の体育館使用の連絡だったよ」


3年生が引退してから、唯は女子バレー部のキャプテンになっていた。

男子バスケ部のキャプテンが唯と面識がないから、大嶋を通して唯に連絡をしていただけだった。


だけど私は、大嶋と唯とのやりとりに違和感を感じてしまった。

わざわざ呼び出してまで伝えることなのかなって。

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