校庭に置いてきたポニーテールの頃
「あっか、つらいよね。こんなにひとりで我慢させてごめんね。

私がもっと早く気づいてあげられればよかったのに」


唯の声が震えている。

気まずくなりそうで顔を見ることはできなかったけど、唯が泣いていることだけは私にもわかったんだ。

「唯、よくわかんないよ。急にどうしたの。泣いてる?」


唯は「ごめんねぇ」って泣き笑いのような声を出す。


「とにかくここはみんなに見られるから、公園のところまで歩こうよ」

一言も交わさないまま、国道のローソンを曲がり、団地の中にある小さな公園まで唯と歩いた。


ブランコに腰を掛けてからも、鼻をすする唯にティッシュを差し出しながら、泣き止むのを待っていた。

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