校庭に置いてきたポニーテールの頃
唯は、私の気持ちに気づいてあげられなかったことで罪悪感を感じているんだろうな。

言葉を選びながら慎重に、私は唯に語りかけた。


「ありがとう、唯。

ヒロのこと、今まで唯に話さなくてごめんね。

だけど私、マナのことも好きなんだ。

二人が好きだから幸せになってもらいたいって本当に思っているんだよね。

確かに辛いときもあったけど、唯が私の気持ちを知っててくれただけで心強く思っている。

だから泣かないで。私も今度から我慢しないで、一番に唯に頼るから」


私には、唯やお母さんがいる。ひとりじゃないんだって気づくことができた。


「って、なんで私が唯を励ましてんだよー!もう、早く泣き止んでよー!」

「えへへ、ごめんねぇ、あっか」


大嶋もそうだよね。私の事、応援してくれるって言ってた。


大嶋が唯に私の気持ちを話したことは内緒みたいだから、あえてお礼とか言ったりはしないけど、私のために唯に話してくれたことはちゃんとわかっているよ。


二年生の終わりで、みんなの優しさに気づくことができてよかった。

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