校庭に置いてきたポニーテールの頃
その瞬間に宮西のことは諦めようって俺はずっと思っていた。

あの後で宮西がヒロのことを諦めようとしていたけど、今思うとそれと全く同じ気持ちだったと思う。


ヒロが積極的に宮西に話しかけている姿を見て、宮西はヒロのことを好きになるって予感がしていたんだ。


あいつと張り合おうなんて、俺は最初から思っていなかった。

ヒロとは五年生の時からの付き合いだけど、あいつがその頃から女にモテていたことは知っていた。


だからというのもあるけど、俺にはもう一つの理由があった。

万が一、宮西が俺を好きになることがあっても、俺は多分、二年生の終わりには転校してしまうから。


結局それは理由ではなくて、ヒロと戦うことから逃げた言い訳なのかもしれないけど。

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