校庭に置いてきたポニーテールの頃
そもそも宮西の表情や態度からは、相変わらず気持ちを読み取ることができない。

授業中に黒板の文字を書き取る度、宮西の姿は自然と視界に入ってしまう。


見ていても、特に変わった様子はないと思う。浦東や俺が余計な心配をしているだけで、本人からしてみたらもう過ぎたことなのかもしれない。


この日は土曜日で、午前中だけ授業がある。三時間目の体育の授業もクラスリレーの練習があった。

最初に合同で授業をしているD組と競争してから、各クラス対策を練りながら走る順番等を見直す。


言い訳するつもりはないが、D組は男女ともに運動部が多い。更に人数合わせのため、そういった奴らが二度走ることになっているからなおさらだ。


俺らのC組はこの練習期間で、一度もD組に勝てたことがなかった。

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