校庭に置いてきたポニーテールの頃
「ヒロのことに限らず、俺はこれからもお前のこと応援してる。力になってやりたいし、宮西にはいつだってそうやって笑っていてほしい」

宮西がぽかんとしたまま、俺の顔を見ている。しまった、いくらなんでも踏み込み過ぎただろうか。


「ありがとう。でも、なんで?」


……ほら見ろ。やっぱり不自然な発言だった。


「大嶋は、なんでそこまで私に優しくしてくれるの?」


作り笑いをしている宮西の前で動揺したところを見せたら、俺の気持ちなんてすぐにバレてしまいそうだ。両足に力を入れながら、必死に言葉を探す。

いや、この場合は言い訳になるのだろうか。


「お前は俺のこと、友達って思っていないの?」


驚いた顔をした宮西が、今度はうつむいてしまった。一方で俺は、言うだけ言ってしまったあとで完全に開き直ってしまった。もうなるようになってしまえ。

「……そんな風に思ったことなかった」

< 245 / 345 >

この作品をシェア

pagetop