校庭に置いてきたポニーテールの頃
「大嶋はやっぱり東高だろ？実は俺、最近ちょっと迷ってるんだよな。東高か緑ヶ丘で」

ヒロは成績が落ちたことを気にしているのかもしれないが、その程度なら頑張れば東高にも受かると思う。


「ところで大嶋は高校でもバスケやるの？」

「うん、多分な」


「迷ってる理由はそれもあるんだよ。東高はバスケそこまで強くないだろ」

「まあな。緑ヶ丘なら全道大会は間違いないだろうからな」


もっともな意見を言っているように聞こえるけど、ヒロはひょっとして浅倉と同じ高校を受験しようと思っているんじゃないのか。


「とにかく今日の面談では、迷っていることをそのまま中井に伝えようとは思っているけどな」

「まだ時間もあるしな。焦らなくてもいいべ」


具体的な将来の夢なんて、今のところはない。だけどこの高校受験で人生が決まってしまう気もしてしまう。


一度しかないこの選択、みんなはどうやって決めるんだろう。

成績を優先するのか、部活を優先するのか。それとも友達や恋人と同じところにいくのか。

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