校庭に置いてきたポニーテールの頃
前までは、俺の気持ちは絶対に宮西にバレてはいけないって思っていた。

それはもちろん、宮西がヒロを好きだったから。そんな中で俺の気持ちなんて知ったら、あいつの負担になるだけだ。気まずくなって終わるだけだろう。


だけど今は、宮西に告白することを考えていないわけではない。

ヒロと浅倉なんて見ていると、付き合うのも楽しそうだなって思う。


ただ、今はタイミングが悪い気がするんだ。

教室は思いっきり受験ムード。宮西だって切羽詰まるほど余裕がないわけではないが、受験が終わるまでは落ち着いてはいないはずだ。


しかも宮西も東高を受験するはず。一緒のところに進学するなら、告白だって焦る必要がないんだ。

今はこうして目が合ったり話せたり、なんとなく両思いかもっていうのが心地良いから、それにもう少し浸っていたい気もするんだ。

< 273 / 345 >

この作品をシェア

pagetop