校庭に置いてきたポニーテールの頃
玄関のインターホンが鳴りドアを開けると、ビールとスナック菓子の入ったコンビニ袋をぶら下げて、大嶋が立っていた。

こないだよりは少しだけラフな格好をしている。シャワーを浴びてきたのか、髪にワックスをつけている様子はなかった。


そのせいか今日の大嶋は、あの頃と同じ髪型だと感じた。


ビールを受け取り冷蔵庫に向かう。大嶋はきょろきょろと部屋を見渡しているようだった。

隅々まで掃除はしてあるはずだけど、汚れが残っていないか少しだけ不安になる。


「ごめんね、生活感丸出しの部屋で。適当に座って」

「なんも。きれいに片付いてるじゃん。あ、肉のいいにおいする」


料理を盛り付けてテーブルに運ぶ。一人暮らしだからテーブルも狭くて、あっという間に食べ物でいっぱいになってしまう。

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