校庭に置いてきたポニーテールの頃
いつも一緒に帰っている友達には先に帰っててもらった。

理由をしつこく聞かれたけど「先生に呼び出された」と言ったら、納得して帰っていった。


教室にはまだ何人かの生徒が残っているが、そこに彼の姿はない。


窓から彼がいつもの男友達と校門を出ていくところを見たから、ひょっとしたらもう帰ったのかもしれない。


メモの差出人が彼であることを期待したけど、それは別の人からだったのだろうか。


それでも帰るわけにはいかないし、私は教室に残る生徒がいなくなるのを見計らってから非常階段に向かった。


外に出てから吐いた息はまだ白く、私は鼻をすする。


北海道の春はまだまだ遠い。せめて、桜が咲く頃まで彼がいてくれたらいいのに……

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