校庭に置いてきたポニーテールの頃

受験会場となる教室は、出身中学校ごとに別れている。

俺らのクラスで東高を受験するのは6名だ。その中で受験番号が一番若い俺は、列の一番前の席で、宮西はその列の一番後ろの席にいた。


つい先月も受験したばかりで、要領は得ている。俺は比較的落ち着いた状態で試験に臨んだ。

どの教科も時間にだいぶ余裕があるうちに問題を全て解き終え、この問題ならきっと宮西も大丈夫だな、なんて考えるほどの余裕があった。


しんと静まり返った空間の中に、鉛筆が紙の上を走る音だけが聞こえてくる。後ろの方に意識を集中させて、宮西の音を探す。


一通り答案用紙の見直しを終えてもまだ時間は残っている。あとの時間はずっと考え事をしていた。