校庭に置いてきたポニーテールの頃
「俺、合格したら携帯買ってもらえるんだ。だからお前も携帯買ってもらえよ。そしたらメールだってできるし、ずっと友達でいられるだろ。

……あのさ、俺がこうやって言うのって、別にお前と離れたいからとかそんなんじゃねえからな」


「分かってるよ」


ヒロが俺のためを思って言ってくれていることは十分伝わっている。

どうしても男同士になると照れが入ってしまうため、本音で語るようなことは今までもあまりなかった。


だからヒロが真剣なのもわかるし、その思いもきちんと受け止めようと思っている。


でも、実は札幌行きについては考えてないわけではなかった。

まだ少しだけ決めかねていたために今日も結局受験にきたけど、結論はほぼ出ていたのだ。

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