校庭に置いてきたポニーテールの頃
結局、決め手となったのは、今現在、自分には両親がまだまだ必要だということだった。
それは経済的な面はもちろん、気持ちの部分でもそうだろう。
これは今更考えても仕方がないけれど、例えば父親の転勤先が札幌以外だとしても、多分俺はついていったんじゃないかと思う。
もちろん北川市に残り、寮に入ることだって考えた。むしろ最初はそのつもりだったんだけど。
だけどよくよく考えてみると、宮西やヒロと一緒にいたいがために、仕送りを受けてまでとどまるのは完全に俺の都合だと気づいた。
自分の、この中学生という立場、家の事情、すべてを考えてみると、父親の転勤の話が出た時点で、札幌以外の選択肢は俺にはなかったのだ。
「そっか」
ヒロの寂しそうな声が、雪の中に溶けて消えていった。
それは経済的な面はもちろん、気持ちの部分でもそうだろう。
これは今更考えても仕方がないけれど、例えば父親の転勤先が札幌以外だとしても、多分俺はついていったんじゃないかと思う。
もちろん北川市に残り、寮に入ることだって考えた。むしろ最初はそのつもりだったんだけど。
だけどよくよく考えてみると、宮西やヒロと一緒にいたいがために、仕送りを受けてまでとどまるのは完全に俺の都合だと気づいた。
自分の、この中学生という立場、家の事情、すべてを考えてみると、父親の転勤の話が出た時点で、札幌以外の選択肢は俺にはなかったのだ。
「そっか」
ヒロの寂しそうな声が、雪の中に溶けて消えていった。