校庭に置いてきたポニーテールの頃
2016.10.21 校庭に置いてきたもの
どうしよう、なんで今更大樹がくるんだろう。
私の住む部屋には廊下がなく、リビングと玄関は隣り合わせになっている。
玄関に出た瞬間にリビングの扉を閉めた。無駄だとはわかりつつも、大樹との会話は大嶋に聞かれたくない。
「よう、灯里。久しぶりだな」
なんでここに来たかは聞かなくてもわかる。これほど単純なやつもいなかった。どうせマナに振られたんだろう。
「今更何?私、ずっと大樹と話したいことあったのに」
「ああ、悪かった。俺も忙しくてさ。上がってもいいか?」
「今は無理……だめだって、ちょっと待ってってば!」
私の返事を聞かずに、靴を脱いで部屋に上がり込もうとする。私は焦って両手を前に出しながら彼を制した。
私の住む部屋には廊下がなく、リビングと玄関は隣り合わせになっている。
玄関に出た瞬間にリビングの扉を閉めた。無駄だとはわかりつつも、大樹との会話は大嶋に聞かれたくない。
「よう、灯里。久しぶりだな」
なんでここに来たかは聞かなくてもわかる。これほど単純なやつもいなかった。どうせマナに振られたんだろう。
「今更何?私、ずっと大樹と話したいことあったのに」
「ああ、悪かった。俺も忙しくてさ。上がってもいいか?」
「今は無理……だめだって、ちょっと待ってってば!」
私の返事を聞かずに、靴を脱いで部屋に上がり込もうとする。私は焦って両手を前に出しながら彼を制した。