校庭に置いてきたポニーテールの頃
大嶋ってこんなに冷たかったっけ……だけど、確かに私はさっきから言葉で伝えることをしていない。


なんだかこうしている間も、どんどん嫌われていく感じがする。


それでも大嶋はソファに座り直してくれていた。私の話を聞こうとしてくれているのだろうか。


「……さっきの人なんだけど」


「今の奴か?悪いけど、そいつのことは聞く気がないから。

だって俺には関係ないだろ?それとも彼氏でも何でもない俺に言い訳でもするつもり?」


厳しい大嶋の言葉に怯んでしまった。確かにそうだ。私は大樹の何を大嶋に説明するつもりだったんだろう。


「……悪い、言い過ぎた。

だけどお前は昔っから変わんねえんだな。言いたいことがあるなら、きちんと言わなきゃ伝わんねえんだよ。

それとも、そうやって我慢している自分にでも酔ってんのか?」

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