校庭に置いてきたポニーテールの頃
きっともう大嶋に会うことはないだろう。胸にぽっかりと穴が空いた気分になった。

だけど涙は枯れたせいか、再び流れることはなかった。


そういえば、タイムカプセル返すの忘れていた。でも本人もあまり気にしている様子はなかったし。

何が書かれていたんだろう。どうせ返すことがないのなら、読んでしまってもいいよね。


迷ったけど、私は大嶋のタイムカプセルを開けることにした。封筒に丁寧にハサミを入れる。

中から出てきたのは、ルーズリーフ二枚。大嶋の文字で、裏表びっしり書かれていた。


「日記……」


正確に言うと、小学校の夏休みに毎日つけていた、一行日記のようなものだった。


私はソファに腰掛け、それを読む。

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