校庭に置いてきたポニーテールの頃

だからと言って、俺は札幌へ行くことを中止することはできない。もちろん宮西だってわかっているだろう。

傷つけてしまうことは、仕方がないことなのだろうか。


今の俺が宮西に望むことは一つ。彼女には前を向いて欲しい。元気で笑っていてくれたらそれでいい。


そこで俺は彼女に告白しようと決めた。

俺から宮西を好きなことをきちんと伝えるんだ。そうすると彼女も俺に想いを伝えてくれるはず。


付き合うことはできなくても、お互い気持ちを残さず伝えてすっきりしたら、きっとそれぞれの高校でも新たな一歩を踏み出せるんじゃないかと思うんだ。


タイムカプセルが土の中で眠り始めた。掘り起こす頃15年後には、俺のところにまで連絡が来るのだろうか。

だけど、それもどうでもいいんだ。15年後の宮西が持っててくれたらそれでいい。


あの日記は、俺と宮西の二人の記憶だから。